メイキング・オブ「SD金床さん」

この二次創作改造フィギュアは、とくにレッズ・エララ神話体系の創作とは関係がありませんが。
ふと2023年2月の今日、「そういえば、2020年の5月に作った【SD金床さん】のこと書いていなかったな…」と思い出しました。
これからは模型ジオラマにも力を入れていきたい私(作者・残響)としては、ここで振り返ってメイキングでも書いておくのも良いかもしれないと思い、今回この記事を書きました。
よろしくお願いします。ではまず「SD金床さん」の概略から。

原作は、蝸牛くも氏による小説/TRPG/アニメ作品「ゴブリンスレイヤー」の妖精弓手(エルフ)。ゴブリンスレイヤーの一党(パーティ)の野伏(レンジャー)担当。
なぜ「SD金床さん」というタイトルにしたかというのは、原作で執拗に描かれる「その胸は平坦であった=金床(かなどこ)」という描写&冗句からですね。
また「SD」とは「スーパーデフォルメ」の略であります。模型をやっている方なら説明不要な話ですが、そんな態度では新規のモデラはいつまでたっても来ないのですよ…(自戒)

元となった素体はコトブキヤ「キューポッシュ FAガール スティレット」(以下すち子)です。2018年の「スティレット 素体」の方ではなくて2017年のフル装備の方。

弓矢や矢筒といった装備はコトブキヤ「世界樹の迷宮Ⅳ 伝承の巨神 スナイパーの女の子」から持ってきました。髪はオリジナルのFAGすち子のパーツやパテなどを盛り、マントは紙製です。草原なスタンドはキューポッシュ付属スタンドの改造です。

では以下、メイキングに移りたいと思います。以下の写真&作業工程は全て2020年のものです。


とりあえずすち子にマントと弓矢を持たせてポージングし、モックアップ的に「感じ」を掴んでみます。実はこの時点では上手く改造出来るか半信半疑でした。同じツンデレ風味キャラといっても…。え?すち子も妖精弓手もツンデレと言うにはへっぽこ過ぎじゃないかって? よく分かってらっしゃるじゃないですか…

ざっくり色を乗せてみます。「いける」と思ったのはこのあたりで、ですね。おなかの装甲パーツとかをガリガリ削る必要があるのかな、と思っていましたが、これはこれで冒険者のレザーアーマーっぽく出来そうです。

そんなわけでまずはヘッドの改造からです。エルフといったら問答無用で長耳なので、サイドに針金を仕込み、そこにパテで耳を造形していきます。髪のパーツは、フレームアームズガール(初代リアルスケール)の方のスティレットから持ってきました。

とりあえずサイドの髪と後髪はなんとかなりそうです。

ともかく一旦まとめてみます。この段階でトータルとしては結構それっぽくなったかな?と思いました。
ただ、前髪が足りない! そこで…

前髪を増やしていきます。結局、この増毛造形に一番手間がかかりましたね。

今となっては反省点ですが、パテで髪を造形したあたりで満足してしまって、表面を丁寧にヤスって滑らかにするのを適当にしてしまいました。結局、最終的に塗装した後、髪がザラついた質感になってしまい、妖精弓手の「美しさ」を下げてしまったな、という反省です。作中でごく当然のようにこの娘は美しいと描写されますからね…。

実はボディにはそんなに手間がかからなかった記憶があります。胸を削るのは確定事項ですが(ひでぇ)。おなかに交互にベルトを重ねる感じにするのは、プラ板ではなく紙でいきました。黒いベルトはリード線。ショートパンツですが、すち子の装甲スカート&縞々ぱんつを潰しました。

足回りは、後述するように「キューポッシュの改造」感を残すために、それっぽく塗装するだけであまり手を入れませんでした。関節に金色の紐を入れたぐらいですね。

で、とりあえずこんな感じ。何気にサイド髪にリボンも巻き付けたりしちゃってね。

装備を塗装し、マントを付けてみました。ここからディテールを詰めていきます。

弓矢の塗装、矢筒の塗装。それからマントを風にたなびかせるように立体的にして、塗装。
ちょっと汚めにしたのは、ファンタジーの荒涼感ウェザリングもありますが、原作の「ゴブリンの巣穴」探検感も出したくて。

それから、このキャラの二つ名は「星風の娘」なので、台座が単なるプラスティック、というのはちょっとファンタジー感がございません。なのでちょっとヴィネット風に、草原っぽくしてみました。足元に草を舞わせてみたり(小技)…。

そんなわけで、「SD金床さん」完成したのが以下のものです。

やっぱり「ゴブリンスレイヤー」はファンタジーですからね。冒険者ですからね。
こういう風な演出も効果的かと思います。
欲を言えば「星風」っぽく「キラッ☆」としたエフェクトも入れるべきか?と思いましたが、流石にクドいかなぁ、というのと、当時の私の技術力とコンテスト(後述)締め切りのことを考えまして…。

ちゃんと弓に糸も張ってあります。糸と髪の上にあるのは、着脱可能な黒曜石の短剣。

フィギュアの固定は、キューポッシュ台座のスタンドでまず固定すると同時に、台座に仕込まれている磁石でも固定。そして右肩から広がるマントでスタンドを隠す、って塩梅です。

さて、この作品ですが、シマーネ農業王国の模型店「ホビーゾーン出雲店」さんで2020年5月に開催された「SDプラモデルコンテスト」に出展させて頂きました。「残響」名義です。キューポッシュの「改造」感を残したかったのは、このコンテストのレギュレーションを考えてのことで…。

作品カードの「アピールポイント」には以下のように書いてあります。

「ゴブリンスレイヤー」より妖精弓手(エルフ)です。コトブキヤ「キューボッシュ FAガール スティレット」をベースに、フレームアームズガール「スティレット(初代)」の髪パーツやコトブキヤ「世界樹の迷宮Ⅳ スナイパーの女の子」の武装を使用しました。技量点1d3+1!頼む…(コロコロ…)

コラッ模型コンテストでTRPG/ゲームブックネタを出すなッ、いくらゴブスレがそういう作品だからといってッ。

そんなわけで「SD金床さん」でしたが、この作品を作っていたのは2020年の5月です。
そう、ちょうどコロナ禍真っ盛りで、緊急事態宣言/ステイホームが言われていた時期でした。
そんな中でしたが、この作品に没頭出来たおかげで、自分自身が腐らずに済んだのかもしれない…と今更ながら思います。
そう考えると、コツコツ作業の模型趣味とは、良いものですね…。

そういうわけで、これからもレッズ・エララの箱庭など、コツコツと作っていきたいと思います。お読み頂きありがとうございました。

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