はじめに
ジュース(清涼飲料水)が好きです。
子供の頃からジュースが好きで、お菓子よりも重要度は上でした。 大人になったらジュースを飲まなくなるのかな、と思っていましたが、ところがどっこいしょ、「飲まなくなる」なんてことは一向に訪れませんでした。 ただし大人になって、ジュースの飲み方というか、「嗜み方」は変化を見せました。 お酒をゴクゴクとカジュアルに飲む方法を語る際、「薄めに割った●●(酒の種類)にレモンやライムを絞ってジュースみたいにゴクゴク呑む」という表現を、しばしば見かけます。 ここには即ち、ジュースはゴクゴクと適当に飲むもの、という通念が見えます。 実際、わたくし(ホムペ管理人)も、かつてはゴクゴク、適当に水代わりとして飲んでおりました。 だからメタボリック・シンドロームになったのだ……。 適当、ゴクゴク、雑に……そうではなく。 わたくし(ホムペ管理人)は、ジュースをしっかり大事に味わいたい。 お酒を嗜む方々が、静かに味わってテイスティングをするのと、全く同じスタンスで、ジュースに臨みたい。 わたくしはお酒を一滴も飲まないのですが、良き酒呑みが大切に呑むように、大切にジュースを嗜みたい。 そのように考えるくらい、大人になって、ジュースに対し大切に思う意識が、より高まり、深まり続けています。 ジュースを味わい、嗜み、テイスティングしたい。 このジュースレビューページは、そんなジュース人生をより確かに彩るために、書き記していきたい所存です。 よろしくお願いします(コップの中のジュースに向かって) コカ・コーラ(赤ラベル)
言わずとしれたKing of 炭酸ジュース。しかし各ボトルで嗜み方が異なる……と筆者は思っています(偏見)
コカ・コーラ公式ページ 製品情報 基本的に、700mlボトルを1晩で空けます。 今の世(とくに若者)では、このサイズのボトルを、ラッパ飲みで一気にクーッ!が基本スタイルだとは思います。 ですが、その一口目にいささかの問題があります。 ボトル内で気化した炭酸が、液体と共に「ガツン!」と来るのが、かなりハードアタックです。 よく言われる「コーラを飲んでむせる」というのは、結構ここに来るのではないでしょうか? 炭酸の気化での充満膨張によるアタック感。それはペットボトルの柔らかさによって、より強められているのでしょうか(推測) このあたり、懐かしの瓶コーラでは、起こらなかった現象です。また、わたくしの幼少時(30年前)は、同じペットボトルと言えど、このアタック感があまり感じられませんでした。ペットボトルの厚みが今より格段に厚く、固かった時代です。 こういった「気化炭酸のアタック感」は、コーラのテイストを左右する重要なファクターです。気のせいと思って、おざなりにすることは出来ません。 しかし逆に言えば、この気化炭酸を自由に操作することが出来たら、コーラを様々なアタック感で味わい分けることが出来ます。 ようは炭酸をどれだけ&どんな手法で「抜く」か、の問題です。 コーラはワインの時間操作(1日置き)のように、炭酸を操作することによって、いろいろな側面を見せて(魅せて)くれます。 整理しましょう。そのようにコーラの気化炭酸を操作するにあたって、重要なのは 「冷蔵」 「開栓処理」 「コップ」 「保存」 の4つの取り扱いです。 ●冷蔵ヌルいコーラが牙をもがれた獣の末路、というのは、あえて申すまでもありますまい。格闘漫画「刃牙」で言及されているように、炭酸を完全に抜いたコーラが、カロリー補給の即効飲料として優れている……という側面は確かにございます。 ですが、「ジュースを嗜む」という本レビューの趣旨からは外れますので、ここでは取り上げません。 まず冷蔵。コーラの基本はこれです。 というかすべての炭酸飲料は、飲む前に冷蔵冷却処理をしておくことによって、「清涼」なるエッジと味わいが増すというものです。刃は手入れをし、研ぎすますべきです。 では「氷を投入すればよいのではないか?」という鋭い質問がくると思います。 が、炭酸飲料愛好家の中でも、「コーラに氷を入れるか否か」は議論が分かれると思うのです。 ジュースと氷、つまり、いわゆる「オン・ザ・ロック」です。 コーラのオン・ザ・ロックは、冷蔵コーラを飲むのとは、また別物になる、というのが自分の考えです。 コーラの味……甘味とスパイスのハーモニーたる、あの門外不出のレシピ。 これに氷という第三のファクターが加わることで、また味わいが変わるのです。一言でいえば、はじめはキリリとエッジの立った味わいになり、だんだん氷が溶けるにつれ、コップの中身が自然なまろやかさになります。 欠点は、氷で薄まりすぎると、やはりコーラの牙がもがれることとなる。また、コップに水滴がつくのがやけに目立つ、というのもあります。 喫茶店で良く出るコーラがこの味わいです。「それを狙う」という手法をとるジュース愛好家には敬意を払います。「レモン、ストロー、&コースター党」と呼びたいところです。 ですが、彼らもまた頷いてくれるでしょうが、「その飲み方がコーラの唯一絶対、とするのは狭量に過ぎる」というのもまた事実です。 「氷を入れればよい」というわけではないのは、この事実からも明らかです。まして、冷蔵しきったコーラに、さらに無遠慮に氷をブチこんで、喉に流し込ませる、というのは、乱暴も良いところではないでしょうか。 ●開栓処理次に、開栓処理ですが、これは炭酸飲料の基本のキである「開栓後、即時キャップを締める」のが基本……なのです、が。上記で「気化炭酸を制御する」と書きましたが、まずここで2〜3割くらい炭酸を抜く派閥が存在します。 「コーラは炭酸がほどよく抜けているのが良い」とする、一見中道派にして、実際のところ、攻めに攻めている党派です。わたくしの父君(パパン)もこの党派に属しています。 ちなみに我がパパンはこの派閥の中でもラディカリストでして、「初手から6割炭酸を抜く」という行為を当たり前に行っています。おお、神よ! 自分は、彼らの基本哲理たる「ほどよく抜けている」味わいこそ至高、という哲理に、「確かに……」と賛同する心もあります。 まして、ほどよく炭酸が抜けたコーラが、きちんと冷蔵庫で冷やされていたとして! それを夏の茹だる暑さに、スッと喉に流し込む愉悦といったら! 確かにこの「中道にして攻撃派閥」の威力を感じ取ります。 ですが、この派閥の哲理の弱点として、「そのようなマリアージュたる味わいは、長くは続かない」というのがあります。 炭酸が抜けきってしまったら−−−。 再びキャップを締め、時間を置き、2回目のテイスティングに移った時、すでに炭酸は7割抜けていると考えて良いでしょう。 7割炭酸が抜けたコカ・コーラ!神よ!!!!!「刻」が過ぎ去ってしまった、とはこのことであります! さすがに「炭酸が3割以下のコーラ」に即座にget you!と返せるジュース愛好家は少ないのではないでしょうか。もうここまできたら、先の刃牙コーラまではあと一歩です。 よってわたくしは、開栓でもって気化炭酸をある程度「抜かす」よりも、別の手段でもって抜かしていきたい所。そこで、コップの出番です。 ●コップわたくしがコーラ・テイスティングで気に入っているのは、一般のコップ、グラスではございません。和もの、というか。フチの薄い、どこかお猪口みたいな、小さな茶碗を使っています。これが大変よろしい。フチの薄さは、そのまま飲み口にエッジが立った感触を付与してくれます。 また、少しだけコーラをボトルから注いで、即座にキャップを締める。そしてテイスティング。味わう。 やや炭酸を「抜かした」コーラを、五臓六腑に染みわたらせる、深い夜……。 これが至福の刻というものです。King of 炭酸ジュースの威風を味わいます。 ●保存と、ここまで基本、700mlボトルでお話ししてきましたが、これは1000mlボトルでも、わたしのテイスティング方法は同じです。ただ、保管の際、やはり量が多いので、一気に飲み切ることは出来ず、炭酸の気化の管理に気を遣う、というのも正直、あります。 昔のように「ゴクゴク適当に飲む」ことから決別したからこその、厄介な悩みですね……。 意外と自分が気に入っているのが、280ml(球形)や300ml(ミニサイズ)の、少量ボトルですね。 280mlも300mlも、見て楽しい、手に取って楽しい、そしてテイスティングする際にも、絶妙な量、という。 このボトルなら、そのままラッパ飲みでも充分良い、とわたくしは考えています。 |