2017年冬〜2018年年始 百合2次創作私的概観

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2018/01/01 UP

※この記事は、当百合機械HP管理人・残響の視点から見た、2017年の百合2次創作界隈の時評めいたものです。
 あくまで私見ですので、見落としとか「これはどうしたのですかっ!?」とかがあると思います。
 ですので、ツッコミやご指摘、情報提供などありましたら、メールか掲示板によろしくお願いいたします。


 正月ですね。それはさておき2017年を経たいま、百合2次創作界隈で熱いのは、わたしから見たところですが、

・フレームアームズ・ガール(FAG)
・ガールズ&パンツァー(ガルパン最終章)
・けものフレンズ
・プリンセス・プリンシパル
・Fate/GrandOrder(FGO)


といったあたりでしょうか。伏兵として、

・少女終末旅行

が、大方の予想を裏切って、百合としての隠れたポテンシャルを発揮しています。それも「退廃」と「ぐだぐだ腐れ縁」を同時に満たす的な。
なにしろ公式アンソロにおいて原作者みずからが百合爆弾をブッコんできた、という代物ですから……。



●FGO

 まず、FGOに関しては当方完全にノータッチなので、コメントが出来ません。
 爆心地にも近いこのコンテンツにおいて、音に聞こえしブリュジャン、マリジャンなどの百合カプをスルーするというのも大変にキツいですが、ソシャゲFGOをやってないので、ホントなんとも言えない。ごめんなさい。
 ただ、印象論で失礼をしますが、主人公「ぐだ子」の、百合主人公としてのキャラ造型にはかなりの興味を持っています。
 「普通の子」でありながら自然と周りを惹きつける、サバサバ系にして愛のある……という。
 嫌味のない百合主人公の造型って難しいんですよ……我々百合オタは主人公に自分を投影しきるんでなく、主人公をもまた「観測」しますから。

 (ぐだ子を管理人がどう見てるか、のことについては、
 ・「スピッツの歌詞で百合妄想(1)三日月ロック
 や
 ・ジョノスさんのソシャゲ主人公レポート
 をご覧ください)


●フレームアームズ・ガール

 フレームアームズ・ガールに関しては、当初から「きゃっきゃうふふ」をテーマとしているだけに、こちら(百合)の需要も満たしてくれるとは思っていました。
 しかし作中で重視して描かれていたのが、我らがあおちゃんを中心とした「家族もの」っぽい感じだったというのは、さらなる喜びでした。轟雷、すち子、ばーぜ、迅雷、アキ子、マテリア姉妹、フレ子……の「姉妹順列」みたいな感じすら成り立っています(「スール」的意味とは違って、より「家族」的感じ)。
意外や意外、製作側が百合(っぽさ)として押してきているマテリア姉妹のキマシ描写よりも、「源内あお・源内轟雷」や、轟すち、ばぜすち、迅アキの方がより、より素晴らしいカプとなっています。やはり百合は自然なカップリングの物語性にこそある……。



●プリンセス・プリンシパル

 プリンセス・プリンシパル(公式HP、音が出ます)に関しては、申し訳ない、わたしは完全スルーしてまして。設定協力監修を行っている速水螺旋人のファンでありながら! なのでこの作品と界隈に関しては語る言葉を持ちません。ただ、螺旋人ファンという流れと、百合としてのポテンシャルがあるらしい、という期待はチェックしてありますので、いずれ手を出すかもしれません。出遅れで。


●アズールレーン

 あと、2017年のソシャゲで、アズールレーンの超意外なヒットがありました。TwitterのTLを眺めていても、よく流れてきます、アズールレーンのイラスト。
 個人的には、ベルファストのキャラ造型が、マイ殿堂入りヒロインたる、小宮裕太「沢渡さん」を彷彿とさせるので、そこだけは思いっきり注視はしています。が、百合となったらどうなんでしょう。男性向け方面では愛宕・高城姉妹のおねショタ姉妹は人気っぽいですが。
 ……なんかね、あまり「キャラ性」みたいなものが伝わってこないんですよ、現時点でのアズールレーン二次創作。だから百合カプとしてどう解釈していいのか、ってところがある。イラストリアスとユニコーンが、「姉ちゃん」呼ばわりのちょっと新しい姉妹関係になりそう?みたいな予感はあるのですが……。


●けものフレンズ

 2017年最大のダークホースといえば、ご存知けものフレンズですね。さまざまな名シーン、名カプが生まれました。もはやギンキタ、博士助手、アラフェネ、サーかば、といったあたりは完全な鉄板です。
 ところで、けもフレ百合・ファン活動の功績は、コンビという、論争における緩衝材概念を生み出したところですね。


けものフレンズコンビ・カップリングタグ一覧

 ここに書かれているように、「どちらが攻・受なのか論争」のとりあえず回避のために、「登場回・登場シーン・登場ちほー」でざっくり分類して、「まずはこのコンビが登場してくれたことを寿ごうず」というクッション的な論の提示です。サーバル攻だろうが、サーバルヘタレ受だろうが、どちらにせよサーバルちゃんとかばんちゃんのコンビを愛しているのには変わらないだろう、みたいなね。
 もちろん、個々人の趣味がある以上、「やっぱりサーバル攻!」「いやおれはサーバル受!」が出てくるのは当然ですが、まず、「登場シーン・風景」をも含めた、「このコンビがジャパリパークのなかに居ること」この尊さをまず認識しよう、ということです。それだけ、ジャパリパークは豊穣で美しいのです。やっぱりたつき監督&irodoriはすげえよ。だからこそKADOKAWA(略


●ガルパン最終章

 さて、目下いよいよ勢いを増してきているのが、ガルパン百合です。
 最終章第一話を経て、さらに盛り上がってまいりまして。とりあえずSSまとめサイトの流れを毎日見ているのですが、一時期停滞していた流れが、再び活発化してきています。かつては「まあ一週間に2つくらい投稿があればいいかな」だったのが、いまや「毎日1作品は余裕で投稿」という流れです。
 
 最終章の現時点での新しい流れが、

・桃ちゃん留年
・サメさんチーム
・BC自由学園

というものです。

 まず最初の桃ちゃん留年ですが、これを百合に持ってくるのは難しい……と思いきや、

・柚子ちゃん「杏」 呼び

がありましたよ大佐! 
 
 これまで柚子ちゃんは会長を「会長」呼びでしたが、五十鈴華新会長に移行して、生徒会の重責から離れることが出来ました。役柄というか、心理的にも。そしてもともとの親友「杏」呼びとなったのです。
 この脱皮というか、「ああ本当は、この三人はこういう関係だったのね」という案件の暴露は、大変においしい! 手練手管の老獪であっても、この少女たちも少女たちであったのだ!というね。だから、桃ちゃん留年でのネタも、どこかでこの「等身大の少女達三人」のネタでいきますよ!大佐!


 サメさんチームに関しては、個人的にフリントのビジュアルが非常にツボなのですが(そんなに銀髪好き?)、百合となるとどうなんでしょうね。不良チームという。
 そう、キーポイントは「不良」でしょう。ワルというか海賊というか。それを攻受としてどうもってくるか。サメさんチーム内での百合はまだ可能性が未知ですが、これまで「いい子の集まり」だった大洗の面々とどう絡んでくるか。
 そのひとつのヒントとなるのが、ウサギさんチームとのカラミ。現状、ウサギさんチームのひよっ子たちはサメさんチームの「族」っぽさにビビっています。とくに戦車戦のとき、ムラカミが、マークIVを川で救出してもらった際に勘違いして「こらーっ!」と言ったのに、ウサギさんチームふつうにビビってます。
 
 ですがさらにこれを

「野蛮な攻(サメさん)」×「ワイルドさに篭絡される受としてのウサギさんチーム(の誰か)」

と構図を捉えることは、どこまで可能でしょうか。まだそのSSの実例、本編中でのヒントたるエピも出ていませんから、これは完全に予測の域を出ていません。が、「海賊(ワル)のワイルドさ」という攻の百合的(あるいは少女漫画的)古典的属性は、まだまだ使える!と思ってはいます。


 さて、BC自由学園……これは大問題です。つまりは安藤(黒髪褐色の方)押田(金髪の方)ケンカップルは「どこまでが真実で、どこまでが演技」なのか?という問題がまだ未解決だからです。
 しかし、どちらにせよこれは非常に美味しいでしょう。かたや貴族っぽいお嬢様(押田)、かたや成り上がりのワイルドさ(安藤)。これはよい。「どちらを攻にしてどちらを受にするか、そしてリバに持っていくか」というだけで萌える、あるいは議論が起こる!
 それだけに、第二話がどうなるかで、このBCカプはどうなるかがわからなくなるのです。サメさんチーム百合以上に、いまガルパン百合で喫緊たる重要百合ネタはこのBC自由カプであるでしょう。どちらにもいける。
 ケンカップルというのは、「本心」の味わいがどのようであるか、で攻受の表面的ロールの味わいが変わってきますからね。まだ不確定要素が多い。まだあわてるような段階じゃない……とはいいつつも、あの「お互いが対になっている」「意識しあっている」「ガチケンカ」「それでいて戦車戦においては抜群のコンビネーション」……なんということだ!

 さらには、隊長・「ケーキ大好き」マリーの存在もあります。このマリーを、安藤と押田がどのように意識しているか。敬慕か、愛でか。どちらにせよ「確実に意識している、重きを置いている存在」ではあります。ここから三角関係、のシチュにもってくるのも大変よろしいですし、またマスコット的に持ってくるのもよし。あるいは精神的支柱。あるいは、けいおんムギさん的観測者としてマリーをもってくるのもアリ!
 これもまた、不確定要素がまだまだ強い……。


●2018年ガルパン同人百合漫画・SSの情勢、私的観測についてはこちらを (近日公開)



●2018年にむけて


 さて、総評に移りたいと思います。

 2017年は、この先まだまだ楽しめるカプが、様々な作品でどんどん生まれた、善き年であったといえるでしょう。
 そう、去年、生まれたばかりの作品における、生まれたばかりのカプ。まだまだ「煮詰めが足りない!」とすらいえるのです。もはや鉄板ともいえるけもフレ・アラフェネですら、まだ生まれて1年しか経ってねえ!
 
 よって、2018年はけもフレ百合、FAG百合にしても「飛躍の年」でありましょう。
  
 また、今年中にはガルパン最終章第二話が出るとして、懸案の上記ケンカップルがどうなるか。
 そして、少女終末旅行の原作漫画が、現在とんでもないことになっていますが、はたしてチトとユーリに希望は、安らかなるラストはあるのか!?これの如何によっては二次創作のユーチトの味わいが「絶望ありき」なのかどうか、っていう状態にもなってくる「バッドエンドの予感」ですからね……。おわるまではおわらないよ(フゥー)
 FAG2期というコトブキヤのアホもとい蛮勇はあるのか? そもそもけもフレ2期というか、たつき監督はどうなるのか?
 まだまだ不確定要素は多いですが、百合の火はますます絶えることなく、燃(萌)えていく1年になると思います。
 
 そうでなくても、またどこかから新しい百合のニューカマーが出てくるかもしれませんからね……。
 このページでは、あくまで「同人百合二次創作」を主眼に見ましたが、他の「商業百合漫画、小説、web連載」なども、このHPでは言及していきます。とくに、識者には今更言うまでもないですが、pixivコミックの「daioh @ pi」の恐るべき充実ハイポテンシャルぶりがゴイスですからね。、
 今年2018年は入間人間「安達としまむら」の新刊も出るっぽいですからね……「動き」がありますよ!




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